PAE系ポリマーセメントモルタルを用いたコンクリート構造物の補修・補強工法
概要
PAE系ポリマーセメントモルタルを用いたコンクリート構造物の補修・補強工法は、ポリマーの優れた接着性と柔軟性を活かし、既設コンクリートとの一体化を図りながら耐久性を向上させる技術です。
ひび割れや断面欠損部の補修、表面被覆による劣化抑制などに適用され、塩害・中性化・凍害といった劣化要因に対して高い抵抗性を発揮します。施工性にも優れ、既存構造物の長寿命化と維持管理コストの低減に寄与します。
PSR工法(鉄筋コンクリート床板下面増厚補強工法)
PSR工法は、補強用の鉄筋をRC床版の下面に取り付けた後、ポリマーセメントモルタルで既設の床版と一体化させる工法です。 剛性の高い構造体の形成により、曲げ及びせん断に対する補強効果が同時に得られ、また、ポリマーセメントモルタルの保護効果により耐久性も向上します。
PSR工法は、S61年に(財)土木研究センターにおいて「曲げ供試体による疲労試験」を行うことからはじまり、国内ではいち早く、大阪大学で「輪荷重走行試験機による疲労耐久性試験」を行い疲労耐久性能が確認され建設省のパイロット事業をはじめ、数々の施工実績を重ねた上に、平成11年と12年に建設省土木研究所にて実験を行いました。
PSR工法の特長
床版下面からの施工のため、交通開放したまま施工できます。
現床版を補強する工法なので、産業廃棄物を出しません。
雨天時でも施工が可能です。
工事中の騒音や振動が少なく周辺に迷惑をかけません。
補強後は目視点検ができます。
補強と同時に防錆・防蝕効果があります。
補強鉄筋の防錆と既設床版の保護効果があります。
補強に必要な耐力(不足鉄筋量)はRC理論により求める事ができます。
PP工法(鉄筋コンクリート橋脚巻き立て補強工法)
PP工法は、従来のRC巻立て工法では施工できない空間的制約がある場所や、河川内の河積阻害が問題になる場所で有効な耐震補強工法です。
PP工法は、RCの補強理論に基づき、PSR工法で培った技術を応用して開発され、パイロット事業における公開実験に採用され、厳しい条件下の補強工法として注目を集めています。
PP工法の特長
補強による増厚が薄くて済みます。建築限界や河積阻害が問題になった場合適用できます。
死荷重が軽減されるので基礎への影響が少なくて済みます。
型枠作業が不要で、施工も簡単です。作業スペースが狭くても対応できます。
補強と同時に防食効果があり、延命効果が期待できます。
仕上がりがきれいです。
補強後は目視点検ができます。
変形した橋脚にも対応可能です。
正負交番載荷試験
試験体(RC柱など)に対して、油圧ジャッキで左右に繰り返し荷重(押し引き)を与えて破壊まで挙動を確認します。
ひび割れの発生・進展
コンクリートの剥離・破壊
鉄筋の挙動
といった、地震時を模擬したダメージの出方を観察します。
PW工法(農業水利施設補修工法)
PW工法は、水路内面にコンクリート保護材であるポリマーセメントモルタルを吹付けまたは塗布し、断面修復保護材により既設コンクリートと保護材が一体となり、劣化した水路構造物を修復するとともに長期にわたり保護します。
PW工法の特長
既設構造物を補修するため廃材の発生を最小限に抑制できます。
新設より工期が短く経済的です。
大型の機械を必要としないので、狭い場所でも施工が可能です。(山腹水路、人家脇でも施工が容易です)
湿潤状態(湧水は除く)でも施工が可能です。
付着力が大きく、0mmからのすりつけが可能です。(厚みが薄くても耐衝撃性に優れ、はく離しにくい特性があります。)
耐摩耗性に優れています。(摩耗減量は普通モルタルの約1/5)
粗度係数はコンクリートと同等です。
飲料水水質基準適合試験にも合格した安全な材料です。
PW工法は水路構造物を対象とし、延命・漏水対策・粗度の改良を目的にした補修工法です。 耐荷力向上など構造的な補強が必要な場合は別途 PSR工法等をご検討ください。
PT工法(トンネル補修・補強工法)
PT工法は、橋梁床版の補強工法であるPSR工法や、橋脚の耐震補強工法であるPP工法で培ってきたノウハウをトンネルの補修・補強工法に応用した工法です
トンネル補強工事環境につきものの湿潤状態での施工を可能にし、覆工コンクリートとの一体化が確実に行え、補強後の目視点検も可能にする工法です。
PT工法の特長
補強による増厚が薄くて済みます。
既設覆工コンクリートと同じ無機質材料なので、補修・補強部が一体化し剥落の恐れが少なくなります。
死荷重の増加が小さく、構造物への負担を軽減できます。
施工面が湿潤状態でも施工ができます。
同一材料で施工するので、連続作業ができます。(工期が短縮できます)
引火、爆発、中毒の心配が少なく、安全に工事が行えます。
補強後は目視点検ができます。


